残していきたいもの

少しつらい話になりますが…

10年ほど前、まだ私が会計事務所に勤務していたころの話です。

担当していた会社の社長さんが病により急逝されました。
享年62歳。

つい数日前、月次の監査で、いつものように会計や経営のことで
話をしていたのに、です。

 

本当に突然のことでした。

いま思い返しても残念でなりません。

 

その社長さんは、若い頃、ある飲食業界で使われている機械の開発に携わった方で、
その後独立され、その機械のメンテナンス業を営んでいらっしゃいました。

その飲食業界ではなくてはならない機械なので、全国を飛び回って忙しくされていました。

 

社長曰く
「設計図なんか無くったって直せる。図面は頭ン中に入っとる」
といつもおっしゃっていました。

「動かなくなった。どこが壊れているのか分からない」
そんな電話が入ると、夜の夜中だろうが、
愛車のスポーツカーに部品と工具を積んで、
北陸、九州、東北へと、飛んで駆け付けておられました。

とにかく「仕事が早い。なおかつ絶対直してくれる」ということで、
大手飲食チェーンの経営者さんからの信頼も厚い方でした。
普段はとても寡黙で、人としての重みのある、まさに「職人気質」な方でした。

 

その社長がもっていた技術やノウハウは
まちがいなく、財産でした。

いちいち図面やマニュアルを見なくても対応できる「技術力」
どんな時間でもすぐ飛んできてくれる「対応力」
それらは、
当初の開発に携わった「経験」と長年積み重ねてきた「ノウハウ」
職人気質な「プロ意識」が支える、社長ならではの「強み」でした。

 

娘婿さんを後継ぎにしようと、会社に迎え入れた矢先のことでした。
娘婿さんが、その技術を学んで引き継いでいれば、
いまも飲食チェーンから頼られる存在であったにちがいありません。

 

けっきょく、
会社はたたむしかなくなり、
娘婿さんも、事情を話してもとの会社に復帰されていきました。
そして、
社長がもっていた「強み」という貴重な財産は失われてしまいました。

 

 

経営者であるあなたに、もしものことがあったとき
会社は回りますか?

まだ現役バリバリのうちに
後継者を育てることは、もはや
経営者の「義務」になっているように思います。

 

「べつに俺の代だけでいい。継がせるとか、そんなことは考えていない。」

そんなふうに考えていらっしゃる社長さんは多いです。
でも、それが本心から出た言葉として聞こえるときは、少ないように思います。

 

「社会の役に立つことを」
そう思って始めたあなた事業を
あなただけで終わらせてしまうのは
あまりにももったいないと思います。

後継者に引き継いでほしいのは
株でも機械でも工場でもない。

社長であるあなたが、
どんな思いでここまでやってきたのか、
どんな苦労を、どうやって乗り越えてきたのか、
その結果どんな力となって今の会社を支えているのか

そういう目に見えないところに
あなたの「事業のDNA」があるんじゃないのかな、と思います。

 

「企業は社会の受け皿だ」というような言い方もありますが、
その「受け皿」を作っているものこそ、
「事業のDNA」だと思います。

そんな、あなたの「事業のDNA」を受け継いでくれるような人材。

それを育てるのに、「早すぎる」なんてことは絶対にないと思います。

 

 

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